建設業界ニューストレンド~船の体育館、解体か保存か?最新ニュースと工務店の視点
黒宮建設です
船の体育館、解体か保存か?最新ニュースと工務店の視点
高松港のすぐそばに立つ「船の体育館」こと旧香川県立体育館。
丹下健三の代表作のひとつとして、県民に親しまれてきた名建築ですが、老朽化を理由に2014年から閉館され、いよいよ解体の危機を迎えています。
最新ニュース:解体へ向け入札開始、建築家協会が保存要望
香川県は7月に解体工事の一般競争入札を公告し、受付期間は 2025年9月2日〜4日。
予定価格は 9億2000万円余り です。
一方で、全国5000人の建築家が加盟する 日本建築家協会(JIA) は、8月12日、池田知事に対し保存と活用を求める要望書を提出しました。
・「解体費用10億円を使うのではなく、民間資金で耐震補強し再生すべき」
・「再生委員会の提案を検討すらしないのはおかしい」
と訴えています。
さらに、香川県議会の議長や各会派代表にも同じ要望書を提出し、建築界全体で保存を後押しする姿勢を鮮明にしました。
工務店視点:壊すか、残すか?
工務店の立場からすると、この問題は「コスト」と「価値」の両面で考えさせられます。
1.解体の場合
・9億円以上の税金をかけ、跡地は更地化。
・技術的には最も簡単で短期的に済む。
2.再生の場合
・民間資金で30〜60億円、耐震補強や改修に高度な施工技術が必要。
・ただしホテルや観光資源として地域経済にリターンが期待できる。
壊すのは簡単。
でも、残すには「工夫と技術と地域の理解」が必要になります。
工務店としては、まさに 「つくる技術」よりも「残す技術」 が問われる局面だと感じます。
地域にとっての意味
船の体育館は単なる体育館ではなく、
・戦後日本建築を代表する文化財
・県民の思い出の場所
・観光資源となり得る存在
こうした「地域の資産」を守るかどうかは、建築の問題だけでなく、 まちづくりの意思決定
でもあります。
香川県は解体へと歩を進めていますが、建築家や市民からは「保存を」との声が高まっています。
工務店としては、壊すか残すかを超えて「地域にとって一番良い未来は何か」を考えたいと思います。
皆さんはどう思われますか?
もし現地を訪れる機会があれば、ぜひ「船の体育館」を一度その目で見て、未来を想像してみてください。
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