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賃貸住宅経営~デッドクロスとは⁉その②

黒宮建設です。

賃貸住宅経営を行っていくうえで考慮しておきたいのが「デッドクロス」です。
元々は金融証券分野で用いられていましたが、全く意味が異なります。

デッドクロスになる原因はいくつかありますが、主な原因は以下の通りです

1 家賃収入の減少
経年劣化による家賃の引き下げや、空室率の増加などにより家賃収入が減少します。
この結果、キャッシュフローが悪化し、デッドクロスの状態に陥ることがあります。
特に、競争が激しい地域では、賃貸住宅物件の維持管理にかかるコストが増加し、家賃収入が減少することも考えられます。

2 経費にできる利息の減少
賃貸住宅経営では、アパートローンを利用して資金を借入するのが一般的です。
この支払額のうち、元金部分は経費の対象外ですが、利息部分は経費として計上できるのが特徴です。当然ながら、利息は返済が進むにつれて減っていきます。つまり、経費として計上できる額が目減りしてしまい、税負担が重くなるのです。特に、長期に渡ってローンを返済する場合はキャッシュフローの管理が難しくなるため注意が必要です。

3 減価償却がなくなった(もしくは減った)
建物と設備の減価償却期間が終了すると、経費として計上できなくなり、税負担が増加してしまいます。これは建物の構造による差が大きく、木造、鉄骨、RC造の構造別にデッドクロスのリスクが異なります。例えば、木造は鉄骨造と比べて減価償却期間が短いため、早朝にデッドクロスのリスクが高まると考えられます。

減価償却期間は減価資産の耐用年数に沿って決められています。
減価資産別の法的耐用年数
木造 22年
鉄骨造(軽量鉄骨) 27年
鉄骨造(重量鉄骨) 37年
鉄筋コンクリート造 47年
建物附帯設備  おおむね15

デッドクロスを回避するための対策

1 自己資金額を増やしてローンを組む
デッドクロスを避けるための一つの方法は、自己資金を増やしてローンを組むことです。
これにより、毎年の返済額を減らすことができ、キャッシュフローの安全性が高まります。
また、自己資金を増やすことで、金融機関からの信頼も高まります。

2 ローンの返済方法を工夫する
ローンの返済方法を工夫することも重要です。新築の場合は、ローンの借入期間を建物の法定耐用年数内で設定するようにすると、減価償却期間内で完済する計画となり、その後のキャッシュフローが安定します。

3 資金に余裕がある間に繰り上げ返済を行う
資金に余裕がある間に繰り上げ返済を実施することで、月々の返済額を減らし、キャッシュフローの改善を目指すことができます。これにより、将来的にデッドクロスのリスクを減少させることが可能です。特に、低金利の時期に繰り上げ返済を行うことで利息負担を軽減し、キャッシュフローを安定させることができます。

賃貸住宅経営におけるデッドクロスの概要と対策法について解説してきました。
オーナー様にとってはデッドクロスはキャッシュフローを悪化させる要因となるため重要な課題です。
適切な対策を講じつつ、長期的な賃貸経営の成功を目指しましょう。

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