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建築業界豆知識~文学作品に描かれた建築から、暮らしの原風景をたどる~第3回 宮沢賢治の作品に描かれる校舎と、地域に根ざした建築

黒宮建設です

宮沢賢治の作品には、派手な建築はほとんど登場しません。
けれど、読む人の記憶に残る建物があります。
木造の校舎、農家の家、風や光がそのまま入り込む空間。

『風の又三郎』に描かれる学校も、
特別な説明はないものの、
床を踏む音、窓から入る風、外とつながる教室の様子が、
いきいきと伝わってきます。

その校舎は、
自然と人とを分ける建物ではなく、
自然の中にそっと置かれた居場所のように感じられます。

現代の建築は、
快適性や安全性を高めるために、
外部環境から室内をしっかりと切り離すつくりが主流です。
それはとても大切なことですが、
一方で、風や季節の気配を感じにくくなっているのも事実です。

宮沢賢治の描く建築からは、
土地の風土に寄り添う建物の姿が見えてきます。

雪の重みを受け止める屋根、
雨音が伝わる構造、
外で起きていることが、
自然と中にいる人に伝わる空間。

私たち地域の工務店が、
この町で家づくりを続ける中で大切にしているのも、
まさにこの視点です。

この地域の風向き、
夏の暑さ、冬の寒さ、
日差しの入り方や、周囲の建物との関係。

土地を知り、人を知り、
その場所に合った住まいをつくること。
それは、図面だけでは決められない仕事です。

宮沢賢治の作品に登場する校舎は、
多くの人の記憶に残り、
物語が終わったあとも、
どこか懐かしい風景として心に残ります。

家もまた、同じではないでしょうか。

何十年先に、
「この家で育ってよかった」
「この場所があったから安心できた」
そう思ってもらえる住まい。

文学が描く建築のように、
地域とともに生き、
人の時間を静かに見守る存在でありたい。

黒宮建設はこれからも、
この町に根ざした家づくりを、
一棟一棟、丁寧に続けていきたいと思います。