建設業界豆知識∼ジブリ飯に学ぶ、キッチン設計の工夫
黒宮建設です
~暮らしの真ん中に「つくる・食べる・つながる」場所を~
スタジオジブリ作品の中で、印象的な“食のシーン”は数え切れません。ジブリ飯の魅力は、ただ美味しそうというだけではなく、その空間にある温かさ、生活感、そして“人との距離感”にあります。
実はそこに、住宅設計・特にキッチンづくりのヒントがたくさん詰まっているのです。
『魔女の宅急便』のグーチョキパン店の厨房
▶ 家族と地域をつなぐ「開かれたキッチン」
キキがお世話になるパン屋「グーチョキパン店」。
奥にある厨房では、オソノさんがパンを焼き、赤ちゃんを世話し、その横でキキがパンを包んで手伝う――という日常が自然に展開されます。
このキッチンには、
・作業スペースの広さと動線の工夫
・奥まった場所にありながらも人が行き来しやすい間取り
・生活と仕事が自然に混ざり合う「暮らしの中の職場」
といった特徴があります。
▶ 設計ポイントに活かすなら
パントリーを奥に確保しながら、作業台を広くとる
勝手口や店舗スペースとの「裏導線」を作っておく
キッチンから子どもや来客の様子が見える配置にする
『天空の城ラピュタ』のシータの朝ごはん
▶ “共同作業”を自然に生む対面型キッチン
ドーラ一家の飛行船で、シータが厚切りパンに目玉焼きを載せて、朝食をサッと出す名シーン。
少年たちが「うまそう!」と飛びつくあの空間には、調理と配膳がスムーズにつながるキッチンのヒントがあります。
・コンロと作業台、テーブルの距離感
・全員の顔が見える「カウンター越しの会話」
・運ぶ手間を省いた導線設計
▶ 設計ポイントに活かすなら
・アイランド型やペニンシュラ型キッチンで、家族と対面できる構造に
・食卓とキッチンを“横並び”で設けると家事の効率UP
・キッチン中心にした「回遊導線」で動きやすさを確保
『千と千尋の神隠し』の油屋の厨房
▶ 多人数・高回転に耐える「プロ仕様キッチン」
湯屋の厨房では、料理人たちが巨大な鍋でぐつぐつと料理を作り、無数の客に提供しています。
もちろんファンタジーではありますが、ここには“人が行き交うキッチン”に必要な考え方が詰まっています。
・作業動線を分ける「複数人対応」
・熱源や水場の分散配置
・収納と配膳を効率的にまわせる導線
▶ 設計ポイントに活かすなら
共働き家庭や二世帯住宅では「二人同時作業」を想定したキッチン設計を調理家電を横並びではなく“点在”配置で動線分散
調味料や道具の「出しっぱなし収納」も検討範囲に
▶ 設計ポイントに活かすなら
共働き家庭や二世帯住宅では「二人同時作業」を想定したキッチン設計を調理家電を横並びではなく“点在”配置で動線分散
調味料や道具の「出しっぱなし収納」も検討範囲に
『となりのトトロ』の草壁家の台所
▶ 昔ながらの知恵を活かした「省エネ設計」
サツキが薪でご飯を炊くシーンは、今のキッチンからは遠く見えるかもしれませんが、自然の力を活かす暮らしのヒントにあふれています。
窓を多く取った「通風・採光」設計
火や水を大切にする姿勢
台所が“家の中心”にある意味
▶ 設計ポイントに活かすなら
南側に面したキッチンは冬の陽光が入り、暖かさと明るさを確保
窓を2方向にとり、夏は風通しを良くして熱気を逃がすキッチンのすぐ隣にリビングを配置することで、調理中も会話が生まれる
ジブリ作品に登場する「キッチン」には、現代の住宅にも活かせる設計思想がぎっしり詰まっています。
家の中で、いちばん“生活のリアル”が現れる場所――それがキッチン。
ただ料理をするだけの場所ではなく、人と人がつながり、思い出が積み重なる空間として、どんな形が「その家らしいか」を考えていくことが、私たちの役割です。
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