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建築業界豆知識~文学作品に描かれた建築から、暮らしの原風景をたどる~最終回 物語が育つ家を、この町で

黒宮建設です

これまでこのシリーズでは、
文学作品に登場する建築を通して、
「住まいとは何か」「建物が人に与えるものは何か」を見つめてきました。

夏目漱石の『三四郎』に描かれた下宿には、
人と人とのほどよい距離感がありました。

谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』では、
光と影が生み出す、日本家屋ならではの落ち着きが語られていました。

宮沢賢治の作品に登場する校舎や家屋は、
自然や地域とともに生きる建築の姿を教えてくれました。

川端康成『雪国』の宿は、
人を迎え入れ、心を静かに整えるための空間でした。

そして、向田邦子の描く台所や居間には、
日々の暮らしの温度や、家族の時間が流れていました。

これらの建築に共通しているのは、
特別なデザインや最新の設備ではありません。
そこにあるのは、
人の人生を静かに受け止める場所としての住まいです。

家は、完成した瞬間が一番美しいわけではありません。
住む人の時間が積み重なり、
笑ったり、悩んだり、
何気ない日常が重なっていくことで、
少しずつ「物語のある家」になっていきます。

私たち地域の工務店が、
この町で家づくりを続けている理由も、
まさにそこにあります。

流行に左右される家ではなく、
何年、何十年と暮らしを重ねる中で、
味わいが増していく住まい。

壊しては建てるのではなく、
手を入れながら、住み継いでいける家。

文学の中の建築が、
今もなお人の心に残り続けるのは、
そこに「人の暮らし」が確かに描かれているからだと思います。

この町にも、
これから先、誰かの記憶に残る家が増えていくことを願って。

私たちはこれからも、
一棟一棟、顔の見える家づくりを通して、
暮らしの物語を支えていきたいと考えています。

家は、人生の舞台。
そして、いつか誰かの心に残る、
静かな物語の背景になる存在です。

文学が教えてくれた住まいのあり方を胸に、
これからも地域とともに、
丁寧な家づくりを続けていきます。